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WBCにおける野球日本代表~侍ジャパン~の活躍と2023年大会の見どころ

今では野球ファンにはお馴染みのWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が初めて開催されたのは2006年3月のことです。

野球日本代表(現在の愛称・侍ジャパン)は初回から参加しており、以来、2009年、2013年、そして2017年の開催まで毎回激闘を繰り広げています。

この記事では、WBCにおける侍ジャパン・トップチームの活躍の歴史や、2023年大会の見どころなどを解説・紹介します。

 

目次

WBCにおける野球日本代表~侍ジャパン~の戦績を振り返る

WBCは日本野球界にとって大きな存在となっています。これまで4回行われたWBCにおける野球日本代表・侍ジャパンの戦績を振り返ります。

WBC第1回大会

2006年のWBC第1回大会に出場した野球日本代表(以下侍ジャパン)は、参加16ヶ国、地域の中でも強豪として優勝候補のひとつに数えられていました。WBCでは16チームを4グループに分けた総当たり方式のリーグ戦が2ラウンド行われ、勝ち抜けたチームが準決勝へ進む方式でした。
侍ジャパンは東京でアジアの3チーム(中国、韓国、チャイニーズタイペイ)と第1ラウンドを戦います。韓国には惜しくも敗れたものの、他の2チームに快勝した侍ジャパンは、4チーム中2位の成績で、アメリカで行われる第2ラウンドへと駒を進めました。

第2ラウンドの相手はグループ1位で通過した韓国に加え、アメリカとメキシコの3チームです。ここで侍ジャパンは韓国とアメリカに敗れるというまさかの展開になります。
全勝の韓国が1位通過を決め、他の3チームが1勝2敗で並ぶ大混戦の2位争いでしたが、失点を抑えていた侍ジャパンが辛くも2位通過で準決勝進出を手にしました。

第1・第2ラウンドでともに敗れた韓国を相手に戦った準決勝で、侍ジャパンはそれまでのうっぷんを晴らすかのような快勝を見せます。
続く決勝では点の取り合いの末、キューバを突き放し、栄えある第1回大会の覇者の座を手にしました。投の松坂、打のイチローをはじめとする、熱いメンバーの活躍が思い起こされます。

WBC第2回大会

2009年に開催されたWBC第2回大会における侍ジャパンは、前回大会と同様に東京で同じ顔ぶれの第1ラウンドを戦いました。ただし、勝ち抜け方式はリーグ戦ではなくダブルイリミネーション方式と呼ばれるトーナメント戦です。
1回戦で中国を、2回戦で韓国を撃破した侍ジャパンは、敗者復活戦で上がってきた韓国と1位決定戦を行い、またしても2位となってしまいました。

第2ラウンドでは1回戦でキューバに快勝、2回戦で韓国に敗れて敗者復活2回戦に回ります。ここでもキューバに快勝した侍ジャパンは、1位決定戦で今度は第1ラウンドとは逆に韓国に勝利して、意気揚々と準決勝に向かいました。
アメリカを退けた侍ジャパンは、決勝戦で韓国とこの大会5度目となる対戦を行い、見事に連覇を達成しています。前回大会も含め、初期のWBCでは韓国との対戦の多さが目立ちました。

WBC第3回大会

開催間隔が3年からオリンピックと同様の4年となった2013年のWBC第3回大会には、予選ラウンドを含めて28チームが参加しています。また、第1ラウンドがリーグ戦方式に戻されました。侍ジャパンや韓国、アメリカなど前回大会の上位12チームは、予選ではなく本選からの戦いです。
残りの4枠を16チームが争う形の予選でした。侍ジャパンが出場する第1ラウンドは福岡で行われ、中国とキューバ、ブラジルが相手です。過去2回同組だった韓国、チャイニーズタイペイは、台中での第1ラウンドに組み込まれています。

キューバに敗れて2勝1敗となった侍ジャパンは、2位で東京の第2ラウンドに向かいました。1回戦で接戦の末にチャイニーズタイペイを、2回戦ではオランダを退け、敗者復活から1位決定戦に上がってきたオランダを再び撃破して準決勝進出を決めています。
準決勝ではプエルトリコに完敗を喫するという予想外の結果に終わり、開催3連覇を逃しました。この大会の優勝チームはドミニカ共和国です。また、この大会では前回までとはガラリと変わり、韓国との対戦がまったくありませんでした。

WBC第4回大会

2017年に行われた第4回大会が2023年1月時点で直近のWBCとなります。前回大会でよもやのベスト4に終わり、決勝進出すら叶わなかった侍ジャパンは、引き続き本選からの戦いです。第1・第2ラウンドともにリーグ戦方式で行われ、東京での組となった侍ジャパンは、キューバ、中国、オーストラリアを相手に全勝で第1ラウンドを終えます。第2ラウンドではキューバ、オランダ、イスラエルが相手でしたが、こちらも全勝で準決勝進出を決めました。前回大会から巻き返し、優勝の栄冠をと意気込んでいた侍ジャパンでしたが、結果的に優勝チームとなるアメリカに力及ばず、残念ながら2大会連続の準決勝敗退に終わっています。

以上のように、過去4大会実施されたWBCにおいて、野球日本代表・侍ジャパンは優勝2回、3位(ベスト4)2回という好成績を収めました。
その背景には、選手や関係者など多くの人々の努力、尽力があったことは想像に難くありません。

WBC以外での侍ジャパンの活躍

侍ジャパンはWBCに出場しているトップチームだけでなく、大学やU-23/U-21、U-18、女子、社会人その他の各チームが世界中で活躍している野球日本代表です。
2022年12月31日の世界野球ソフトボール連盟による男子野球の最新WBSC世界ランキングにおいて、侍ジャパンは堂々の1位となっています。ここでは、侍ジャパンのトップチームがWBC以外で活躍している2つの大会と結果を紹介しましょう。

WBSCプレミア12

WBCと並ぶ野球の世界大会であるWBSCプレミア12は、2015年と2019年に開催されています。WBCと交互に開催年が来るようになっており、4年に1回では物足りないファンにとって、侍ジャパンの活躍を堪能できるイベントのひとつです。WBCよりも少ない12チームによる戦いで、2015年大会は日本と台湾を舞台に行われました。

侍ジャパンはオープニングラウンドでアメリカ、韓国、ベネズエラ、メキシコ、ドミニカ共和国の5チームとリーグ戦を行い、5戦全勝の完璧な戦績で1位通過を決めています。続くノックアウトステージと呼ばれる決勝トーナメントでは、準々決勝でプエルトリコに勝って臨んだ準決勝で、韓国に惜敗し決勝進出を逃しました。
しかし、3位決定戦ではメキシコを圧倒して力を示しています。この大会の優勝チームは韓国でした。

2019年大会は、前回大会の開催地に韓国とメキシコを加えた4地域で開催されています。オープニングラウンドで台湾開催の組に入った侍ジャパンは、チャイニーズタイペイ、ベネズエラ、プエルトリコを相手に2大会連続の全勝を決めてスーパーラウンドへ進みました。
ここでは韓国、メキシコ、チャイニーズタイペイ、オーストラリアに勝ち、アメリカに負けて4勝1敗とし、1位で決勝進出です。決勝では2位通過の韓国に勝って優勝を決めており、WBCを含めると4大会ぶりの世界戦制覇となりました。

オリンピック

オリンピックの野球競技はWBCやWBSCプレミア12が誕生する以前からあるメジャーな世界戦であり、日本野球界にとっても非常に重要な存在です。しかし、オリンピック全体の構成の中では野球の優先度が低くなっていることから、2021年に延期して行われた「2020年東京オリンピック」では北京大会以来3大会ぶりの採用でした。

日本など一部の国・地域での開催を除けば、野球が採用されるかどうかの見通しは厳しいといわざるを得ませんが、そんな中でも侍ジャパンは激闘し、結果を出し続けています。

正式種目となった1992年のバルセロナ大会から、3位、2位、4位、3位、4位と上位をキープし、稲葉監督の指揮による東京大会での優勝へとつなげました。オリンピックでのプロの参加が可能となったのは、2000年のシドニー大会(4位)からです。

2023年3月開催WBCの概要と見どころを紹介

新型コロナウイルス感染症の世界的拡大を受けて開催が見送られていたWBC第5回開催の大会名称は、「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」です。

2023年3月8日~3月21日の日程で開催が予定されています。(2023年1月時点)

開催概要

第5回大会の開催地は、日本と台湾、アメリカです。今大会は20の国と地域のチームによる戦いとなっており、侍ジャパンは1次ラウンドと準々決勝の2次ラウンドともに、東京(会場は東京ドーム)での戦いが予定されています。準決勝と決勝が行われる決勝ラウンドは、アメリカのローンデポ・パークが舞台です。

出場チーム

(プールA)チャイニーズタイペイ、キューバ、オランダ、イタリア、パナマ
(プールB)日本、中国、韓国、オーストラリア、チェコ共和国
(プールC)アメリカ、カナダ、メキシコ、コロンビア、イギリス
(プールD)ベネズエラ、プエルトリコ、ドミニカ共和国、イスラエル、ニカラグア

外せない見どころ

今大会で外せない最大の見どころと呼べそうなのが、二刀流でお馴染みの大谷翔平選手の存在です。これがWBC初出場となる大谷選手のプレーはもちろんのこと、その起用法にも注目が集まっています。侍ジャパンのトップチームを率いる監督は、日本ハム時代に大谷選手の二刀流をバックアップしたことでも知られている栗山英樹氏です。もちろん、侍ジャパンや大谷選手自身だけでなく、大谷選手の所属先であるロサンゼルス・エンゼルスの意向もあり、蓋を開けてみるまで明確なことはわかりませんが、それだけに楽しみともいえます。

今大会、メジャーリーガーからはサンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手、シカゴ・カブスの鈴木誠也選手も侍ジャパンに加わっており、NPB選手を交えた豪華な競演を心待ちにしているファンは少なくありません。

プール内の激闘

世界ランク2位のチャイニーズタイペイを筆頭に、7位のオランダ、8位のキューバといったランキング1桁で、WBC常連のチームが3チーム入っているプールAは、実力拮抗の好勝負が期待できそうです。数値こそチャイニーズタイペイが抜けているものの、前回大会でチャイニーズタイペイを上回るベスト12のイタリア(ランク16位)、予選突破寸前までいったパナマ(ランク12位)と役者が揃っています。

実力に差がなさそうな点だけでいえば、プールDのほうが上かもしれません。ランキングの数値は接近しており、混戦が予想されるチームが集まりました。また、3位のアメリカと5位のメキシコ、11位のコロンビアと14位のカナダ、22位のイギリスと3つのレベルに分けられるプールCの星取り展開も見ものだといえるでしょう。勝ち上がりを推理する楽しみが大きいプールです。

侍ジャパンが入ったプールBですが、過去に幾多の対戦を行っている韓国に注意しておけば、全勝も難しくはない組み合わせといえるでしょう。もちろん、油断は禁物です。

 

それぞれの楽しみ方で過ごすWBCの2週間

前回大会から6年ぶりとなる今大会は、2019年のWBSCプレミア12、2021年の「2020年東京オリンピック」に続く世界戦3連覇が期待されています。
そんな侍ジャパンの活躍はもちろんのこと、すべてのチームの試合を堪能できればいうことはありません。目の前のプレーやゲーム展開を楽しむもよし、試合結果を予想したり、監督になったつもりで選手起用を検討したりするもよしです。

WBCの2週間を思い切り楽しみましょう!

 

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